国連生物多様性の10年市民ネットワーク趣意書

 

 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)およびカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)201010月に愛知県名古屋市で開催され、幾多の困難な議論と決裂の危機をのりこえ、「国連生物多様性の10年」「愛知目標」「名古屋議定書」「名古屋−クアラルンプール補足議定書」を始めとする決議が無事採択されるに至った。「生物多様性条約市民ネットワーク」は、この会議に臨む日本でひとつの総合的な市民連携組織として、よりよい合意に向けて貢献してきた。

合意に至った最大の要因は、生物多様性条約の3つの目的の意義が参加者に共有されていたことにある。すなわち、①生物多様性の保全、②その構成要素の持続的な利用、③その利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分であり、多くの国やNGOは、この3つの目的を切り離さずにとらえることが地球社会全体に利益をもたらすことを認識し、持続可能な未来をめざして努力している。ただし、議長国である日本政府は、開発途上国が懸念を表明した課題を誠実に受け止め、公正衡平な社会をめざして、残された課題の解決に努める責任を有する。さらに、20113月に発生した地震と津波は、東日本に未曾有の被害をもたらすとともに、原発事故を通じて、現代社会がいかに脆弱な基盤と特定の地域の犠牲の上に成立し、持続可能な社会とはほど遠いものであることを認識させた。日本政府ならびに日本国民は、震災復興にあたって、単に災害に強い社会だけではなく、真に持続可能で公正衡平な社会をめざすべきである。

私たち「国連生物多様性の10年市民ネットワーク」は、「生物多様性条約市民ネットワーク」の後継組織として、同会が提案し、政府と交渉し、決議にまでこぎつけた「国連生物多様性の10年」に対して、市民側から盛り上げていく所存である。その際、生物多様性条約の成果を継承、実現し、<生物多様性は、それを育み、守り、持続可能な形で利用する地域住民から切り離すことができない>という立場から、<生物多様性の激減の根本原因と真正面から取り組み、これを正す方向で>社会を変革していく必要がある。それには、これまでCOP10/MOP5に参加してきた環境系の団体のみならず、国際協力系、第一次産業系、人権・ジェンダー、将来世代など、幅広い団体に参加を呼び掛け、多様な地域生態系、地域文化の真の守り手である地球市民や地域住民の国境を越えた連携を目指すことが重要である。

以上の趣旨の実現を図るため、ここに「国連生物多様性の10年市民ネットワーク」の設立を宣言する。

 

目的

 上記の趣旨に沿って、本会は、2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)およびカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)の成果と、国連生物多様性の10年の目標を実現するため、国際社会と連携しつつ、日本の市民団体として活動することを目的とする。

 

活動にあたっての基本原則

  本会は、生物多様性が地球規模の課題であるとともに地域の問題であることを認識し、地球市民としての提案と同時に、地域住民としての取り組みを重視する運営に心掛ける。

  本会は、透明性と公開性を保障する民主的な運営に努め、互いに対等な構成員ができるだけ合意できる意思決定プロセスを追求する。

 

(活動)

1.COP10/MOP5の成果の継承と実現

  国連生物多様性の10年に関する普及啓発

  愛知目標達成のために必要な活動及び政策提言

  名古屋議定書、名古屋−クアラルンプール補足議定書に関する活動

  生物多様性国家戦略等の国の政策に対する提言

  その他、COP10/MOP5の成果の継承と実現に必要な活動

2.地域ネットワークをつなぐ全国ネットワーク

  生物多様性に関する地域の多様な主体との連携

  生物多様性地域戦略等に対する地域からの政策提言

3.生物多様性条約に関する内外の組織との連携

  生物多様性条約事務局との連絡窓口

  日本政府、地方自治体との連絡窓口

  生物多様性条約に取り組む海外の団体との連携

4.その他、本会の目的の達成に必要な事業

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